2/2 全校朝会

 今月の校長先生のお話は、先月のお話の続きで、校長先生が6年生の時の「車傷つけ事件」の続きでした。先月子供たちが書いた、校長先生のお話の感想には、子供達一人一人の考えがつづられていました。子供たちは、子供の頃の校長先生を「自分のこと」として捉えて考えることができていたようです。その中で一番多かったのは、

「校長先生は正直に、自分たちがやったと言えたと思う。」でした。いったいどうだったのでしょう。今月のお話を聞いてみましょう。(長文で失礼します)

 

「校長先生は、A君に『やっぱり車を傷つけたことを正直に言おうよ。』と言い、2時間目休みに、学校で一番怖い担任のS先生に、自分たちのしてしまったことを打ち明けに行きました。その後、昼休みに、車に傷をつけてしまったM先生の教室に謝りに行きました。」

 

子供達の感想のとおり、校長先生は正直に言うことができたのですね。正直に打ち明けたことで許してもらえたのでしょうか?

 

「教室に入ると、M先生は担任の先生から話を聞いていて、いきなりすごく怒った顔をして

『あの車は、私の車って知っていたんでしょ!知っていたのに、わざとぶつけたのね!』

『私があなたたちに何かした?あんなことするなんて最低の人間がすることよね。』

と、そのクラスの子も固まるくらいの大きな声で、叱り続けました。そして、

「まったく、あんたたちの親の顔を見たいわよ。どんなしつけしてるんだかね!』

親のことを言われた瞬間に、校長先生は鼻の奥がツーンとしてきて、教室の眺めがぼやけてきました。けれども校長先生は絶対に泣きたくなかったので、涙が目からこぼれないように、天井を向いて、両手をぎゅっと握りしめました。」

 

この時、校長先生はどんな気持ちだったでしょう?どんな気持ちで涙をこらえていたのでしょう?お話は続きます。

 

「結局20分以上、校長先生とA君は、M先生に叱られました。そして、教室に戻ってからも、担任のS先生にさらに叱られました。その日の学校の帰り道、正直に言ったことで叱られ、A君は怒っているように校長先生には見えました。なので話しかけることもできず、ほとんど話さずに帰りました。」

 

この「車傷つけ事件」のお話はここまでです。続いて校長先生の気持ちについて、こんなお話がありました。

 

「正直、校長先生もA君と同じで、怒られた後しばらくは、

『あんなに叱られるのなら、やっぱり言わなければよかったのかもな・・・』と思い、

『正直に自分のしたことが言えてスッキリした。』

という気持ちにはなってはいませんでした。けれどもどれだけ後になってからかわかりませんが、

「やっぱり正直に言えてよかった。」と思えるようになってきました。」

 

この時のことを校長先生は今でもはっきり覚えているそうです。そして最後に

一番大切なことは、怒られるか怒られないかではなくて、自分の中で自分が正しいと思うことをしているかどうかをしっかり見つめること、そして正しいと思うことをしようと努力することだと思います。時には失敗しながらも、自分が正しいと思うことをする大切さを学び続けてほしいと思います。」

 

校長先生からの教えてもらったこの勉強は一生続くそうです。学校でも様々な経験を一つ一つ積み重ね、そこから学んでいけるように支援してまいります。御家庭でも、話題にしていただけたら幸いです。